BEGINが生み出す沖縄に根差した楽曲群の中でも、『三線の花』の詩世界は格別の深みを持っています。歌詞の中で描かれるのは、押し入れの奥に眠っていた「祖父の三線」を手にした主人公が、かつて家族で過ごした温かな日々や、今は亡き肉親へ思いを馳せる情景です。
床の間に置かれた古い三線に埃を払い、爪弾いた瞬間に蘇る在りし日の記憶。タイトルの「三線の花」とは、三線という楽器そのものに咲く花ではなく、悲しみや喪失を抱えながらも先祖や家族の愛を受け継ぎ、前を向いて生きる人々の心に咲く花を象徴しています。別れや苦難を乗り越えて静かに笑顔を取り戻していく過程を歌ったこの詞は、映画『涙そうそう』で描かれた別離の切なさと見事に共鳴し、聴く者の心を救い上げるような温かい余韻を残します。