『踊る』の世界線は時を超えて息づいている。シリーズのスピンオフ映画『室井慎次 敗れざる者』の公開以降、再び神田署長や初期メンバーの活躍にスポットライトが当てられた。かつてフジテレビが巻き起こした熱狂の刑事ドラマブームは、世代を超えて再評価の波に包まれている。
青島や室井と丁々発止のやりとりを繰り広げた湾岸署の空気感。それは北村をはじめとするベテラン俳優陣が現場で培った阿吽の呼吸によって生み出されたものだ。画面の端々から漂う人間臭さと哀愁は、CGや最新技術では決して作り出せない、演者同士の血の通ったアンサンブルの結晶である。