1960年代、池部良のキャリアは東映任侠映画という新たな新境地で再び爆発的な輝きを放ちます。その頂点が、高倉健と共演した伝説的シリーズ『昭和残侠伝』(1965〜1972年)でした。
池部良が演じた風間重吉は、高倉健演じる主人公・花田秀次郎の良き理解者であり、過酷な運命をともに背負う義兄弟的存在でした。クライマックス、トレンチコートや着流し姿で並び立ち、殴り込みへと向かう「道行(みちゆき)」のシーンは、日本映画史に残る屈指の名場面です。背中で語る高倉健の情熱的な男らしさと、静かに刃を研ぎ澄ます池部良の知的な佇まいは完璧なコントラストを描き出しました。高倉健自身も池部を「良さん」と呼び、生涯にわたって深い敬意を寄せ続けたことは有名な逸話です。