時代劇や人情劇で手腕を発揮したマキノ雅彦が、一転して実話に基づく現代ドラマに挑んだ意欲作が『旭山動物園物語 ペンギンが空をとぶ』だ。閉園の危機に瀕していた北海道の動物園が、現場の飼育員たちの熱意と画期的なアイデアで奇跡の復活を遂げる物語を、命の愛おしさとともに描いた。
この作品で徹底されたのは、安易な合成に頼らず、動物たちのありのままの表情をカメラに収めるという根気強いアプローチだった。ペンギンが水中でまるで空を飛ぶように泳ぐ一瞬を捉えるため、スタッフとともに極寒の地で粘り強くシャッターチャンスを待ったという。人間と自然、命の尊厳に対する深い敬意が込められた感動の傑作だ。