名優・神山繁の名を世界に知らしめた金字塔といえば、巨匠リドリー・スコット監督が手がけた1989年の映画『ブラック・レイン』だ。大阪府警の大橋警視正役として出演した彼は、主演のマイケル・ダグラスや高倉健と対等に渡り合い、強烈なインテリジェンスと組織の重圧を体現してみせた。
流暢な英語を操り、ハリウッドの撮影現場でも物怖じすることなく監督と対話したエピソードは有名だ。巨匠リドリー・スコットも彼の存在感と完璧な役作りに深い敬意を表していたという。日米の文化的な摩擦を描いた同作において、彼の佇まいは作品全体の品格と現実味を担保する極めて重要なピースであった。