洋画吹き替えで培った表現力は、ゲームやアニメの世界でも圧倒的な威力を発揮してきた。大ヒットアクションゲーム『龍が如く』シリーズにおいて演じたキャラクターは、裏社会の掟と人間臭い業を背負った強烈な美学を放ち、プレイヤーの心に深く刻み込まれた。
コントローラーを握るプレイヤーに対し、声だけで生身の人間が持つ狂気と哀愁を突きつける。ゲームのグラフィックが進化すればするほど、声優に求められる演技のリアリティは高まるが、彼の提示する芝居は常にゲームの枠組みを超えていた。画面の向こう側の息遣いまでもが現実のように迫ってくる感覚は、ファンを魅了してやまない。
さらに『北斗の拳』をはじめとする不朽のアニメ作品でも、強烈な個性を持つキャラクターたちに命を吹き込んできた。荒廃した世界を生き抜く男たちの生き様、欲望、そして散り際の美学。どんなに過激な役柄であっても根底に品格を漂わせるその演技力は、劇団青年座という演劇の現場で鍛え抜かれた土台があるからこそ成立する技なのだ。