彼のキャリアを語る上で絶対に外せないのが、昭和の時代を代表するSFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』におけるデスラー総統役だ。当時、アニメにおける敵役といえば単なる悪党として描かれることが多かった。しかし、彼の低音ヴォイスと気品漂うセリフ回しは、敵方の指導者に人間味と揺るぎない威厳を与え、日本の声優界に巨大な衝撃をもたらした。
もともと演劇界で実力を磨いていた彼の演技アプローチは、マイクの前であっても舞台上の役者そのものだった。単なる声の吹き替えではなく、キャラクターの呼吸や美学までも声に乗せる。その圧倒的な表現力は、後年のアニメーションにおける悪役像の基準を根底から変えたと言っても過言ではない。