左とん平(本名:肥田木 為彦=ひだき ためひこ)さんは、1937年5月30日に東京都北区王子で生まれました。左とん平の経歴・プロフィールを振り返ると、その原点は浅草の喜劇界や舞台演劇にあります。若手時代は劇団喜劇座に入団し、三木のり平さんや森繁久彌さんといった昭和の巨星たちに揉まれながら、独自のコメディセンスと哀愁漂う演技力を磨き上げました。
左とん平の若い頃は、端役から泥臭く這い上がった苦労人でもありました。テレビ草創期からドラマやバラエティに進出し、1970年代のTBS系ドラマ『時間ですよ』の従業員役で一躍全国区の人気を獲得。さらに1973年にリリースされた楽曲『とん平のヘイ・ユウ・ブルース』は、語りかけるようなブルースとファンクサウンドが融合した前衛的な構成で大ヒットを記録し、後年のクラブカルチャーやヒップホップシーンでも再評価される伝説的名盤となりました。
どのような役柄でも人間味あふれる温かみとペーソスを醸し出す唯一無二のポジションを確立し、映画、テレビ時代劇、現代劇、情報番組のコメンテーターに至るまで生涯現役の表現者として駆け抜けました。