Q1:明治時代の平均寿命において、男女別ではどちらが長かったのですか?
A1:明治時代の第1回完全生命表(1891〜1898年)では、男性が42.8歳、女性が44.3歳であり、女性のほうが約1.5年長命でした。ただし、現代の男女差(約6年)と比べるとその差は非常にわずかでした。当時の女性は、分娩時の出血や産褥熱(さんじょくねつ)といった周産期の死亡リスクが極めて高かったこと、さらに若年女性の間で結核が多発したことが、女性の寿命の伸びを抑えていた要因と考えられています。
Q2:江戸時代と明治時代では、どちらの平均寿命が長かったのですか?
A2:全体としての平均寿命は明治時代のほうが長くなっています。江戸時代の全国的な正確な統計はありませんが、各地の宗門改帳などを復元した歴史人口学の研究によると、江戸後期の平均寿命は30歳代前半から半ば程度と推計されています。明治期に入ると、種痘(天然痘ワクチン)の義務化や近代的な防疫行政、西洋医学の導入が進んだことにより、乳幼児や子どもの生存率が向上し、平均寿命はおよそ10年近く延伸しました。
Q3:明治時代の人々は何歳くらいから「老人」と見なされていたのですか?
A3:社会的・文化的な感覚としては、おおむね60歳の「還暦」前後からが老人(隠居)と見なされていました。明治時代の民法における「戸主隠居」の法定年齢も満60歳以上と定められていました。40代は現代と同じく働き盛りの「壮年」であり、40歳を迎えた程度で老人扱いされるような風習はありませんでした。過酷な幼少期を乗り越えた人々は頑健であり、60代・70代になっても元気に家長や地域の重鎮として役割を果たしていました。