本作を手がけた作家・イラストレーター陣は、子どもたちの目線に徹底して立ち、子どもが世界の美しさや安心感を感じ取れる表現を一貫して追求してきました。多くのロングセラー絵本を手掛けてきた出版社から世に送り出された本作は、単なるエンターテインメントにとどまらず、情緒の安定と他者への信頼感を育てる知育的役割も果たしています。
作者が特にこだわったのは、子どもが不安を感じたときにいつでも戻れる「安全基地」としての母親の存在です。トトちゃんが少し背伸びをして森を探索し、最後には温かいぬくもりの中に帰っていくというプロットは、児童心理学における愛着理論(アタッチメント)のプロセスと見事に合致しています。
商業的な派手さや過激な演出が氾濫する昨今のコンテンツ市場において、こうした静かで確かな安心感を与える作品の希少価値は、年々高まりを見せています。