価格上昇の直接的な要因を探るべく、農林水産省が公表した最新の流通実態データを読み解くと、衝撃的な現実が見えてくる。生産現場における資材費や燃料代の高騰に加え、気候変動がもたらした作況の不透明感が、出荷段階での集荷価格を押し上げる主要因となった。かつてない規模で波及したこの価格インパクトは、個人の家計を直撃するだけでなく、外食産業や食品加工業の採算性をも揺るがしている。
政策の舵取りを行ってきた前農林水産大臣の坂本哲志氏ら政権幹部も、過熱する価格動向と在庫水準に対して警戒感を強めてきた。市場の需給バランスを平準化するための介入姿勢が議論される一方で、急速に変化するフードエコノミーの波は、従来の需給調整メカニズムの限界を露呈させている。