検索エンジンや掲示板で定期的に急浮上する「パイプ椅子 桜井」というワード。その発端を探ると、主にインターネット黎明期の掲示板(2ちゃんねる等)で語られた「ライブハウス時代や学園祭ライブで、桜井和寿がパイプ椅子を投げた」という真偽不明の書き込みに行き当たります。
噂のバリエーションは多岐にわたり、「最前列で全く演奏を聴かずに騒いでいた客に激怒した」「バラード曲の最中におしゃべりをしていた観客に向けてステージ上のパイプ椅子を投げつけた」といった具体的なシチュエーションまで語られています。しかし、Mr.Childrenの公式バイオグラフィーや当時の音楽雑誌、関係者の回顧録をどれほど精査しても、「桜井和寿が観客に向けてパイプ椅子を投擲し、怪我人を出すようなトラブルを起こした」という客観的事実は一切存在しません。
では、なぜこれほど具体的で生々しいエピソードが、半ば事実であるかのように語り継がれてきたのでしょうか。そこには、初期Mr.Childrenが纏っていた「純粋なロックバンドとしての攻撃性」と、メディアが作り上げたパブリックイメージとのギャップが大きく関係しています。