さかなクンが愛用する楽器の中でも、特に異彩を放っているのがバスサックスだ。サックスファミリーの中でも非常に大きく、重量も約10キログラムに達する極めて珍しい大型の管楽器である。息を吹き込むだけでも並外れた肺活量を必要とし、運指や音程のコントロールも容易ではない。
しかし彼は、この巨大なバスサックスを軽々と操り、低音域の豊かな深みとパーカッシブなアタック音を叩き出す。一般的なアルトやテナーではなく、ベースラインを支える最低音域の楽器に強いこだわりを持つ点に、彼の並々ならぬ音への探求心が表れていると言えるだろう。