当初の金属片混入報道の直後、沖縄県や群馬県、東京都などの接種会場からも「薬液内に黒色やピンク色の浮遊物が見つかった」という報告が相次ぎ、一時パニック状態となりました。しかし、その後の調査でこれらはスペイン工場での金属混入とはまったく異なる事象であることが判明しました。
全国から追加報告された異物の大半は、バイアルの蓋部分に使われている「医療用ゴム栓の破片(ゴム片)」でした。これはコアリング現象と呼ばれる医療手技上の物理現象です。注射器の針をゴム栓に対して斜めに刺したり、無理な角度で挿入したりした際に、針の先端の刃面(ランセット部)がゴム栓の一部を丸く削り取って薬液内に混入させてしまう現象を指します。
医療従事者が細心の注意を払って目視点検を行っていたからこそ発見されたものであり、モデルナの異物(金属片とゴム片)は、製造工場の機械摩擦によるものと、接種現場での穿刺時に発生したものが混在して報道されていたのが実態です。