『もののけ姫』タタリ神の正体解剖!ナゴの守の怨念と呪いの裏設定

『もののけ姫』タタリ神の正体解剖!ナゴの守の怨念と呪いの裏設定

話題沸騰中の 『もののけ姫』タタリ神の正体解剖!ナゴの守の怨念と呪いの裏設定について、多角的な視点を整理して公開しています。

物語の根幹を揺るがすタタリ神の正体は、生まれながらの魔物や悪霊ではありません。その実体は、太古の森に君臨していた美しく誇り高き巨大な獣神たちです。古来の日本神話において、神は人間に恵みをもたらす「和魂(にぎみたま)」と、荒々しい災厄をもたらす「荒魂(あらみたま)」の二面性を持つと信じられてきました。極限の苦痛や人間に対する怨嗟によって荒魂が暴走した極限状態こそが、タタリ神と呼ばれる現象です。

作中でタタリ神へと変貌を遂げるのは、いずれも巨大イノシシの神です。彼らは一族の結束が極めて強く、直情径行でプライドが高い種族として描かれています。狡猾に生き残りを図る知恵よりも、正面から戦って死ぬことを名誉とする性質を持つため、ひとたび絶望の淵に立たされた際、その純粋な誇りがそのまま反転し、手がつけられない破壊のエネルギーへと変わってしまいます。

タタリ神の元の姿を知るエミシの巫女ヒイ様は、討ち取られた亡骸を前に「名のある山の主」と敬称をつけて祈りを捧げました。神ですら耐えきれないほどの激痛と屈辱が、崇高な守護神を異形の怪物へと貶めてしまった事実は、本作における自然と人間の断絶を象徴する痛烈なプロローグとなっています。

中島 亮太
著者

中島 亮太

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。