外食チェーンにおいて、この論争をエンターテインメントへと昇華させた立役者が「松屋」です。同社が期間限定で投入した松屋クリームシチュー定食は、発売されるや否やネット上で爆発的な話題を呼びました。
松屋のアプローチが秀逸だったのは、既存の優しい家庭的なシチューではなく、ご飯をガッツリ食べるための「パンチ力」を徹底的に付加した点にあります。ニンニクを強烈に効かせ、チーズや塩分濃度を調整することで、丼飯を何杯でもかき込める濃厚なおかずに仕立て上げました。
この手法のルーツには、ジョージア料理をアレンジして大ヒットを記録した松屋シュクメルリ定食の成功体験があります。「ニンニク×乳製品×鶏肉」の組み合わせが日本の白米と抜群に合うことを証明した松屋は、そのノウハウをクリームシチュー定食にも惜しみなく注入しました。「シチューはおかずにならない」という先入観を、圧倒的な旨味とガツンとくる塩気で力技のように覆してみせたのです。