かつて1990年代後半から2000年代初頭にかけて、青森ねぶた祭は「カラス族」と呼ばれる黒装束の暴徒集団による妨害行為に悩まされた暗い過去を持ちます。改造バイクでの乱入や観客への威嚇、正規の跳人への暴力などが全国ニュースで大々的に報道され、祭りの風紀紊乱が深刻な社会問題となりました。
ネット上の古い掲示板やSNSでは、いまだに「ねぶた祭は治安が悪いのではないか」「トラブルに巻き込まれないか」といった懸念の声が散見されます。しかし、カラス族対策現在の状況を検証すると、その実態は過去の遺物となっています。青森県警、青森市、運行団体実行委員会が三位一体となり、2001年以降に「迷惑行為防止条例」の厳格化や暴力追放宣言を断行。隊列への私服・異装者の立ち入りを完全遮断し、私服警官の配置や防犯カメラの導入、機動隊による警備体制を徹底しました。
その結果、現在ではカラス族は事実上完全に壊滅・排除されています。現在の会場は、家族連れや外国人観光客、地元の若者たちが安心して純粋に跳躍を楽しめる極めてクリーンで安全な祝祭空間へと再生を遂げました。伝統の尊厳を守るために行政と市民が協働した成功モデルとして、文化庁や民俗学研究者からも高く評価されています。