機械化が進む現代においても、「かたやき」の製造には昔ながらの職人技が欠かせない。生地の練り加減やその日の気温・湿度に応じた焼き加減の微調整など、熟練の勘が品質を左右する。水分量を徹底的に抑え、窯の中でじっくりと時間をかけて火を通すことで、石のように引き締まった硬度が生まれる。
この圧倒的な硬さゆえに、商品には小さな道具が同梱されていることが多い。それが木槌(きづち)だ。店によっては小型の木槌や硬い道具が添えられており、食べる前にせんべい自体を叩いて小割りにするのがお約束となっている。「せんべいを木槌で割ってから口に運ぶ」という独特のプロセスは、他では味わえない体験価値として買い手を魅了している。