物語の引き金となったのは、主人公・狩山陸(木村拓哉)が人生を捧げて設計に携わっていた一大国家プロジェクト「龍神大橋」の建設現場で起きた凄惨な崩落事故でした。建設中の橋桁を支えるメインケーブルの定着具が突如として破断し、作業員複数名が巻き込まれて尊い命が失われる大惨事へと発展します。
設計責任者として警察の事情聴取を受けた狩山に対し、帝和建設の社長である磯田典孝(小日向文世)は頭を下げて懇願します。「会社が倒産すれば何千人もの社員とその家族が路頭に迷う。一次的な設計ミスとして罪を被ってくれないか。出所後は会社が責任を持って一生面倒を見る」という、悪魔の取引でした。
部下や下請け企業を守りたいという一心、そして会社への忠誠心から狩山は偽りの供述書にサインし、懲役1年6ヶ月の実刑判決を受けて国立刑務所に服役することになります。しかし、この服役こそが、事故の真の責任を現場の一技術者に押し付け、上層部の不正を闇に葬るための周到なトカゲの尻尾切りでした。