2003年1月19日から3月23日にかけてTBS系の日曜劇場枠で放送された『GOOD LUCK!!』は、木村拓哉の2003年ドラマの代表格であると同時に、平成テレビドラマ史における金字塔として語り継がれています。全日本空輸(ANA)の全面協力を得て制作された本作で、木村拓哉が演じたのは情熱的で真っ直ぐな若手副操縦士・新海元。堤真一演じる冷徹な運航監査官・香田一樹とのプロフェッショナルとしての衝突や、黒木瞳演じるベテランCAとの信頼関係、そして柴咲コウとの共演ドラマとして話題を呼んだ航空整備士・緒川歩美との不器用な恋愛模様は、世代を超えて日本中の視聴者を釘付けにしました。
ビデオリサーチ(関東地区)の調べによると、初回視聴率は31.6%という破格の滑り出しを記録。その後も一度として20%台後半を割ることなく高水準を維持し、2003年3月23日放送の第10話(最終回)では平均視聴率37.6%、瞬間最高視聴率41.6%をマークしました。全10話の期間平均視聴率も30.6%に達し、同年の民放ドラマ年間1位の座を不動のものにしています。
単なる高視聴率にとどまらず、本作が「伝説」と呼ばれる最大の理由は実社会へ及ぼした影響力にあります。放送中からANAをはじめとする各航空会社にはパイロットや航空整備士を志望する若者からの問い合わせが殺到。当時の就職採用倍率は例年の数倍から数十倍に跳ね上がり、ANAの株価や企業認知度にも直接的なプラス効果をもたらしました。フィクションの物語が現実の若者のキャリア選択をダイナミックに動かしたこの出来事は、GOOD LUCKの社会現象として経済誌や社会学の論考でも大きく取り上げられました。