過去の幾多の教訓を経て、相撲協会は「大相撲 暴力事案再発防止策プロジェクト」を立ち上げ、研修会の実施や通報窓口の設置など、組織改革をアピールしてきた。外部有識者の意見を取り入れ、暴力根絶を誓ったはずの取り組みだった。
だが、今回の事態は、そうしたスローガンがいまだ現場の末端まで浸透しきっていない現実を残酷なまでに証明した。形式的な講習会を重ねても、師匠と弟子、先輩と後輩という絶対的な権力勾配が存在する限り、密室での暴走を止める決定打にはなり得ない。再発防止策の「実効性」そのものが、今まさに根本から問われている。