食品衛生学の視点から見ると、牡蠣などの二枚貝は海水中の微粒子をろ過して栄養を摂取する構造上、体内にウイルスを蓄積しやすい性質を持つ。特にノロウイルスは熱に比較的強い耐性を示し、一般的な細菌よりも低温短時間の加熱では生き残ってしまうリスクが高い。
調理時にありがちな失敗は、鍋に入れた直後に牡蠣の表面だけが白くなった状態を「火が通った」と誤認することだ。冷たい大粒の牡蠣を中心まで85℃以上に温めるには、想像以上の熱量と時間が必要となる。中途半端な加熱はウイルスの感染力を残す結果となり、激しい下痢や嘔吐を引き起こす原因となるため、過信は禁物だ。