この劇的な変貌を主導したのは、数々の斬新な列車や駅舎を手掛けた工業デザイナーの水戸岡鋭治氏だ。JR九州のデザイン顧問としても知られる同氏の美学が、伝統工芸や地域素材との対話を通じて、この小さな駅に惜しみなく注ぎ込まれている。
九州旅客鉄道株式会社が進める一連のブランディング事業において、駅という空間は単なるインフラを超えた「地域文化の魅力を発信するギャラリー」として定義されている。格子のデザインや職人の手仕事を感じさせる細部の仕上げは、見る者の目を楽しませてやまない。鉄道事業が地域社会と手を取り合い、新しい価値を創造する見事な結実と言えるだろう。