上質なムートン製品を何世代にもわたって使い続けるためには、日々の正しいメンテナンスが欠かせません。誤った洗濯によって革を硬化させ、取り返しのつかないダメージを負わせる失敗が多発しています。
【日常のお手入れ手順】
- 毎日のブラッシング:金属製のピンブラシ(スリッカーブラシ)を使用し、毛流れに沿って優しくブラッシングします。ホコリをかき出し、毛の絡まり(フェルト化)を解きほぐすことで、ふんわりとした弾力が蘇ります。
- 陰干しによる湿気抜き:月に1〜2回、風通しの良い日陰で陰干しを行います。直射日光に含まれる紫外線は、革の硬化や毛の変色・退色を招くため厳禁です。
- 部分汚れの処置:水滴や少量の汚れが付着した場合は、固く絞った濡れタオルで表面を叩くように拭き取り、ドライヤーの冷風または自然乾燥で乾かします。
【洗濯時の注意点と抜け毛対策】
家庭用の洗濯機で天然ムートンを丸洗いすることは絶対に避けてください。皮に含まれる天然の油分が抜け落ち、乾燥後に革が板のようにバリバリに縮んでしまいます。「ウォッシャブル加工」が施された製品以外は、必ず毛皮・レザー専門のクリーニング業者に依頼するのが鉄則です。
また、購入初期に発生する「抜け毛」は、製造工程で毛根から切れた「遊び毛」であることが大半です。掃除機をごく弱モードで軽く当てるか、丁寧なブラッシングを数回繰り返すことで数週間以内に落ち着きます。経年劣化による激しい抜け毛を防ぐには、多湿なクローゼットでの保管を避け、防虫剤とともに不織布カバーで通気性を確保することが最大の予防策となります。
なお、大流行した「ムートンブーツ」の寿命は、一般的な合皮製が1〜2年程度で寿命を迎えるのに対し、天然リアルムートン製であれば適切なソールの張り替えと防水・ブラッシングケアを行うことで5〜8年以上の長期使用が十分に可能です。