埼玉県南部エリアにおいて、塩ラーメンの代名詞として揺るぎない地位を築いている麺屋樹真(和光市)。その人気の根底にあるのは、従来のラーメン店の枠組みを超えた「和食割烹としての美意識」です。
暖簾をくぐると広がるのは、白木を基調としたカウンターと落ち着いた照明が演出する上質な空間。ラーメン店特有の慌ただしさを感じさせず、一杯ずつ丁寧に向き合う職人の所作がカウンター越しに伝わってきます。この徹底した空間設計が、男性単身客だけでなく、女性の一人客やカップル、シニア層まで幅広い客層を惹きつける大きな要因となっています。
もちろん、最大の求心力は丼の中にあります。単に塩味を効かせたスープではなく、海の恵みを複層的に重ね合わせた出汁の深み、注文ごとに炭火で香ばしく炙られるチャーシューの芳醇な香りなど、五感すべてを刺激する計算し尽くされた構成が、リピーターを生み出し続ける決定的な理由です。