作品に新たな息吹を吹き込んだのが、宝塚歌劇団による舞台化だ。花組による上演では、大正時代の華やかさと切ないロマンスが、宝塚ならではの壮大なオーケストレーションと圧倒的な歌唱力で表現された。組子たちが歌い上げる劇中歌は、観客を瞬時に大正浪漫の渦へと引き込む力を持っている。
舞台用に新たに書き下ろされた楽曲やアレンジの数々は、登場人物たちの葛藤や絆をより深みのあるものへと昇華させた。トップスターたちの圧巻のパフォーマンスとともに劇場の天井を揺らした旋律は、ファンにとって忘れられない記憶として刻まれている。観劇後にサントラCDを買い求めるファンが殺到したエピソードも、その完成度の高さを物語っている。