一見すると純粋な地方の俗語のように感じられる「なんじょだべ」ですが、その成り立ちを言語学的に辿ると、日本の古語に由来する由緒正しい語源を持っています。
この言葉の語幹である「なんじょ」は、中世以前の日本語で用いられていた「何条(なんじょう)」という古語が転訛したものです。「何条」は「どのように」「どうして」という事態のありさまを問う言葉であり、室町時代から江戸時代にかけての狂言や上方言葉にもその痕跡が見られます。
都で使われていた言葉が東北地方へ伝播し、関東・東北エリア特有の推量・勧誘を表す助詞「だべ」と融合した結果、「なんじょ(どのように)+だべ(であるだろうか)」という形で定着しました。歴史的な言葉の移り変わりが、現代の生活の中に温かい方言として息づいている興味深い一例と言えます。