舞台で培われた表現力は、テレビドラマの世界でも異彩を放った。日本放送協会が制作した連続テレビ小説『芋たこなんきん』への出演は、全国の視聴者に彼の役者としての深みを強烈に印象付ける契機となる。
彼が演じた市平は、市井に生きる人間の可笑しみと哀愁を自然体で体現した名キャラクターだった。台詞のない場面で見せる背中の丸みや、煙草をくゆらす手元ひとつに、人生の年輪を感じさせるリアリティが宿っていた。単なるお笑いタレントの客演ではなく、本物の人情喜劇を体現できる役者として、芸能界全体から惜しみない賛辞が送られた。