世間一般には、「バカ息子になるのは、親が甘やかして野放しにしたからだ」と思われがちです。しかし、調査報道の現場で数々の家庭崩壊を取材してきた視点から指摘すべきは、「むしろ教育熱心で厳格すぎる家庭から、最悪のドラ息子が生まれる」というパラドックスです。
名門校への進学や後継者としての成功を義務付けられ、親の理想のレールを敷き詰められて育った子どもは、親の愛情を「成果を出したときだけの条件付きのもの」と受け取ります。常に親の顔色を窺い、失敗が許されない重圧に晒され続けた結果、思春期以降に自己同一性が崩壊し、猛烈な「反抗」や「自暴自棄の逸脱行動」に走るケースが極めて多いのです。
彼らにとって、親のメンツを汚すような不祥事や自堕落な生活は、無意識下における「親への最大の復讐」として機能してしまいます。「親の思い通りにはならない」「親の築いた完璧な世界をぶち壊してやりたい」という歪んだ破壊衝動が、ドラ息子の悲惨な結末を呼び寄せる隠れた動機となっている事実は、社会的にあまり知られていない盲点と言えます。