東京お台場大江戸温泉物語の閉館理由について、当時ネット上では「インバウンド需要の蒸発による赤字撤退」「施設老朽化」といった憶測が飛び交いました。しかし、公式発表および東京都港湾局の公的資料が示す営業終了の決定的な要因は、東京都都有地の「事業用定期借地権」の契約満了です。
施設がオープンした2003年当時、同地(江東区青海2丁目)は東京都が所有する都有地であり、事業者側は当時の借地借家法に基づき契約期間20年の事業用定期借地権を設定しました。この旧法における定期借地契約には以下の厳格な制約が存在していました。
- 契約延長や更新の禁止:期間満了時の更新が法的に認められておらず、最長20年で必ず契約を終了しなければならない。
- 更地返還義務:契約満了時には、建物を完全に解体・撤去して更地の状態で東京都へ返還する義務が発生する。
- 法改正の不適用:2008年に法律が改正され最大50年までの借地契約が可能になりましたが、2003年締結済みの契約へ遡及適用することはできませんでした。
運営会社側は存続に向けて東京都と協議を重ね、再契約や別形態での営業継続を模索したものの、都有地の公平な公募原則および法的な壁を崩すことはできず、2026年9月5日をもって完全閉館となりました。