東大寺という特殊な名称ゆえに、インターネット上では事実と異なる俗説や誤解が散見されます。利用を検討する上で押さえておくべき代表的な誤認を整理します。
最大の誤解は、「東大寺の信徒や檀家、あるいは特別な紹介者がいなければかかれないのではないか」という宗教的先入観です。同院は社会福祉法人が運営する公的な保険医療機関であり、宗教や宗派に関係なく、医療上の必要性があるすべての患者に開かれています。僧侶が白衣を着て治療するわけではなく、在籍する医師や看護師、リハビリスタッフは一般の医療機関と同様の国家資格を持つ専門医療従事者です。
もう一つの盲点は、病院へのアクセスと駐車場の利用実態です。病院が立地するのは、若草山の西麓、奈良公園の広大な原生林に隣接する風光明媚なエリアです。しかし、春の桜や秋の紅葉シーズン、修学旅行のピーク期には、国道369号線周辺が激しい観光渋滞に見舞われます。病院敷地内には患者・家族専用の駐車場が完備されており、一般観光客の誤進入を防ぐゲート管理が敷かれていますが、病院にたどり着くまでの一般道路で思わぬ足止めを食らうリスクがあります。外来通院やレスパイト入院の送り迎えでは、観光カレンダーを意識した余裕ある時間配分が欠かせません。