歌舞伎界に最も激しい衝撃を与えたのが、2026年5月に発生した市川猿之助(本名・喜多村蓮)氏をめぐる事件です。週刊誌によるハラスメント疑惑が報じられた当日の朝、自宅で両親とともに倒れているのが発見され、歌舞伎界のみならず社会全体に大きな衝撃が走りました。
その後、警視庁による捜査が進み、両親に対する自殺幇助の疑いで逮捕・起訴。裁判では犯行に至る経緯や心理的葛藤が審理され、懲役3年・執行猶予5年の有罪判決が言い渡されました。当代屈指の看板役者であり、『スーパー歌舞伎II(セカンド)』をはじめとする革新的な舞台で絶大な集客力を誇っていた中心人物の失脚は、興行面でも計り知れない打撃となりました。
当時上演中だった『明治座創業百五十周年記念 鳳凰祭五月大歌舞伎』では、急遽代役を立てて急場を凌いだものの、今後の座館運営や企画されていた大型公演の見直しなど、歌舞伎座や松竹の興行計画全体に長期的な影を落とすこととなりました。