平屋最大の盲点とも言えるのが「音の伝播」だ。2階建てであればフロアの上下で物理的に遮断されていた生活音が、ワンフロアでは壁一枚を隔ててダイレクトに響き渡る。
深夜に帰宅した家族がリビングでテレビを見る音、キッチンの水仕事の音、洗面所から響くドライヤーの重低音。これらが寝室やテレワーク部屋に漏れ聞こえ、日々のストレス源になるケースは後を絶たない。成功している間取りでは、部屋と部屋の境界にクローゼットや納戸といった「緩衝帯(バッファ)」を挟み込む。あるいは、防音シートを間柱間に充填し、建具に気密性の高い引き戸を採用するなど、平面ならではの防音対策をあらかじめ図面に組み込んでおくことが欠かせない。