このブームは単なる一部の感覚論ではない。キーボードアプリや日本語入力システムの開発現場からも、明確なデータが観測されている。主要な入力アプリのトレンドログにおいて、「るんるん」「うきうき」「わくわく」といったオノマトペに紐づけられたカスタム変換辞書のダウンロード数が、ここ数四半期で右肩上がりの伸びを見せているのだ。
「ユーザーは単に可愛い表現を探しているだけでなく、タイピングのリズムそのものを楽しんでいます。『るん』と2文字打つだけで、画面上でトコトコと踊るような記号がパッと現れる。その打鍵の心地よさ、指先に返ってくるフィードバックの手応えが求められています」と、入力システムの開発に携わるエンジニアは明かす。
短いフレーズを単語登録し、自分だけの「感情のショートカットキー」を育てる。予測変換の自動化が進めば進むほど、ユーザーは自分の指先で世界を少しだけ跳ねさせたいと願うようだ。