タレントのトラブルとは全く異なる文脈で発生するのが、大地震や台風などの自然災害、あるいは国家レベルの重大事件に伴うCM自粛です。記憶に新しい大規模震災や突発的な悲劇的事件の直後、民間企業の華やかなCMが一斉に鳴りを潜め、ACジャパンの啓発広告に切り替わる現象がこれに該当します。
災害時に企業が広告を自粛する最大の理由は、被災者の心情への配慮と「不謹慎狩り」と呼ばれる世論の反発を防ぐためです。甚大な被害や人命の危機がリアルタイムで報道されている最中に、楽しげな娯楽CMや消費を煽るセールストークを放送すれば、視聴者に強い不快感を与え、ブランドイメージに致命的な傷がつきかねません。
現在、大手企業や広告代理店では企業広告の自粛基準に関するガイドラインが細かく策定されています。気象庁の警報レベル、死傷者数や被害規模、特別報道番組への切り替え状況などの客観的指標に基づき、営業部門ではなく広報・リスク管理部門がオンエア継続の可否を機械的かつ迅速に判定する体制が敷かれています。