なぜ急に目に入る?カラーバス効果の正体と仕事・恋愛を変える脳の力

なぜ急に目に入る?カラーバス効果の正体と仕事・恋愛を変える脳の力

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カラーバス効果の語源と由来は、もともと広告業界やクリエイティブ分野で用いられていたアイデア発想トレーニングにあります。「カラーバス(Color Bath)」は直訳すると「色を浴びる」という意味であり、「今日のカラーは赤」と事前に意識を決めて街を歩くと、郵便ポスト、看板、通行人のネクタイ、車のテールランプなど、ありとあらゆる「赤いもの」が目に飛び込んでくる訓練法から名付けられました。

この現象の根底には、認知心理学における選択的注意(Selective Attention)という働きがあります。人間の五感には毎秒数百万〜数千万ビットとも言われる膨大な環境情報が押し寄せていますが、脳の処理容量(キャパシティ)には限界があるため、そのすべてを意識に上げることはできません。そこで脳は、自身が「関心がある」「重要である」と判断した情報のみを優先的に拾い上げ、不要なノイズを自動的に遮断しています。

この情報選別を司る司令塔が、脳幹に位置する脳幹網様体賦活系(RAS: Reticular Activating System)です。RASは入力された刺激に対してスクリーニングを行い、意識のスポットライトを当てるべき対象を決定します。「赤」や「特定の課題」「気になる人の特徴」を意識した瞬間、RASの検索クエリが更新され、周囲の環境から該当するデータだけが次々と抽出される仕組みです。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。