日本国内でラルフローレンを買い求める動きがこれほど過熱している最大の動機は、冷徹なまでの数字の差にあります。中国本土の直営店や公式ECでの販売価格は、輸入関税や現地ラグジュアリー市場のプライシング戦略が上乗せされており、グローバル基準で見ても比較的高めに設定されています。一方で日本市場は、長らく続く為替動向に加え、訪日外国人向けの一括免税制度や百貨店の優待クーポンが重なることで、実質的な取得コストが大幅に抑えられる環境が定着しました。
現地取材と公表レートをもとに試算したラルフローレンの日中価格比較では、誰もが知る定番のポロシャツ1枚をとっても明らかな開きが見られます。中国本土のオフィシャル価格に対して、日本の正規店で免税手続き(10%還元の適用)を行った場合、1枚あたり日本円換算で5,000円から8,000円以上の差が生じます。これがアウターやコレクションライン、パープルレーベル(Purple Label)などの高価格帯商品になると、1着で数万円から十数万円もの開きへと拡大します。
さらに、空港型市中免税店や主要国際空港内のポロラルフローレン免税店を活用すれば、消費税だけでなく店舗独自のマイル積算やプロモーションが上乗せされるケースもあり、国境をまたぐスマートショッパーにとっては日本が「アジアで最もラルフローレンを賢く調達できるハブ」として機能しているのが現状です。