言葉選びの精緻さは、日本の音楽史を見渡しても群を抜いている。「縦の糸はあなた 横の糸は私」というあまりにも有名なフレーズ。織物という具体的なイメージを提示しながら、そこに二人の人間の巡り合わせを重ね合わせる表現は、極限まで無駄が削ぎ落とされている。
縦糸だけでは布にならない。横糸だけでも生地は織れない。互いに異なる方向から交差することで、はじめて「織りなす布」という立体が立ち現れる。抽象的な「愛」や「絆」という言葉を一切使わずに、人間関係の不可欠さと補完性を鮮やかに描き出した点が、聴く者の想像力をどこまでも広げる。