全国各地の自治体が道の駅の集客モデルを研究する際、必ず筆頭に挙がるのが川場田園プラザです。国土交通省が選定する「モデル道の駅」にも選定され、名実ともに全国トップクラスの評価を獲得し続けている背景には、偶然のヒットではなく、綿密に計算された地域経営の思想が存在します。
最大の勝因は、施設のあり方を「通過点の休憩所」ではなく、訪れること自体が旅の目的となる「デスティネーション(目的地)型タウン」へと完全に昇華させた点にあります。約6万平方メートルに及ぶ広大な敷地には、人工的な派手さを排し、武尊山を借景とした日本の原風景が巧みに再現されています。せせらぎが流れる遊歩道、広々とした芝生広場、ブルーベリー公園などが有機的につながり、来訪者は園内を散策するだけで自然と心地よい解放感に浸ることができます。
さらに見逃せないのが、川場村が主導してきた徹底的な「6次産業化」と自社直営主義です。一般的な道の駅にありがちな「仕入れた土産物を並べるだけの売店」とは一線を画し、川場田園プラザではハム・ソーセージ工房、ビール工房、ベーカリー、チーズ工房、ヨーグルト工房などをすべて敷地内に内包。村の清らかな水と地元産の原料を用いて自前で製造し、出来立てをその場で提供するサプライチェーンを確立しました。この「ここでしか味わえない圧倒的な鮮度と体験価値」こそが、消費者を何度でも現地へと足を運ばせる最大の引力となっています。