日本のアンダーグラウンド表現がポップカルチャーへ越境していく歴史において、ソフト・オン・デマンド(SOD)が果たした役割は無視できない。同社の代名詞であるマジックミラー号シリーズは、もはや単なるAVの企画を超え、バラエティ番組や映画のパロディ、広告表現にまで引用される巨大なサブカルチャーの共通言語となった。
日常の風景の中に非日常の異物を持ち込むというこのアイディアは、日本的なシュールレアリスムの極致であり、ネット空間で画像一枚で笑いを取るミームカルチャーの原型とも言える。SODが仕掛けてきたアヴァンギャルドな悪ふざけの精神は、形を変えて現在のSNSユーザーの感覚に受け継がれている。
猥雑なものをあえて明るいギミックで包み込み、大衆の笑いへと転換する手法。その土壌があったからこそ、露骨な言葉も毒気を抜かれたネタとして、心地よくタイムラインを漂うことができるのだ。