『美少女戦士セーラームーン』が放送を開始した当時、社会的なブームを牽引した原動力のひとつが、水野亜美の人気投票1位獲得劇でした。アニメ雑誌『アニメージュ』が主催する「アニメグランプリ」の女性キャラクター部門において、主人公の月野うさぎを凌ぎ、幾度も首位に君臨した実績はアニメ史に刻まれる快挙です。
この熱烈な支持を支えた要因は、IQ300を誇る心優しい天才少女という属性と、ショートカットの可憐なビジュアル、そして名声優・久川綾が吹き込んだ透明感あふれる穏やかなボイスにありました。バトルヒロインでありながらどこか守ってあげたくなる控えめな佇まいは、当時の男性アニメファン(オタク層)の心を直撃し、いわゆる「俺の嫁」文化の原初的なプロトタイプとして絶大な信仰を集めたのです。