なぜ豚肉?函館名物やきとり弁当の秘密とハセスト完全攻略【2026】

なぜ豚肉?函館名物やきとり弁当の秘密とハセスト完全攻略【2026】

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函館をはじめとする道南エリアや室蘭周辺では、古くから「やきとり=豚精肉(豚バラ肉と長ネギの串刺し)」を指す文化が定着しています。この食文化の根底には、北海道の厳しい寒さを乗り切るためのスタミナ源として豚肉が重宝された歴史と、養豚業が盛んで鶏肉よりも安価かつ安定して手に入った時代背景があります。道南の労働者や市民にとって、串に刺してタレや塩で焼いた肉料理はすべて親しみを込めて「やきとり」と呼ばれていました。

この地域文化を全国区の看板商品へと押し上げたのが、1978年のある夜に起きた出来事です。ハセガワストアの創業者である長谷川文夫氏が店に立っていた深夜、一人の泥酔した客が来店し「お弁当ないの?」と尋ねてきました。当時、店内に弁当の在庫はありませんでしたが、店主は機転を利かせ、店内にあったごはんの上に海苔を敷き、酒のつまみ用に仕込んでいた豚精肉串をその場で焼き上げて乗せ、特製のタレをかけて手渡しました。

「これは旨い!」と客が大絶賛したこの即席弁当こそが、今日に続くやきとり弁当の原点です。客の要望に何とか応えたいという現場の温かいサービス精神と、道南に根付いていた豚肉食文化が見事に融合し、函館を代表する伝説のソウルフードが誕生しました。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。