多くのファンが王馬小吉に心を奪われ、抜け出せなくなる最大の要因は、作中後半で明かされる本性と組織「DICE」にまつわる巨大なギャップにあります。物語の序盤から中盤にかけて、彼は1万人を超える構成員を率いる「超高校級の総統」を自称し、コロシアイを扇動する凶悪犯のように振る舞い続けます。
ところが、物語が進むにつれて明らかになる彼の真の姿は、あまりにも予想を裏切るものでした。彼が率いていた秘密結社「DICE」の実態は、世界を股にかける凶悪組織などではなく、「人を殺さない」「くだらないイタズラを楽しむだけ」をモットーとする、わずか10人の小規模な愉快犯グループだったのです。
コロシアイゲームという極限状態において、誰よりも殺人を嫌悪していた王馬が選んだのは、「自らが最悪の黒幕を演じ、ゲームそのものを破綻させる」という孤独な自己犠牲の道でした。狂気の裏側に秘められていた不器用な正義感と、誰にも本心を打ち明けられなかった切なさを知った瞬間、これまでの生意気な言動すべてが愛おしいものへと反転します。この凄まじいギャップ萌えこそが、ファンを熱狂の渦へと巻き込む核心です。