インターネット上の掲示板やSNS、知恵袋などでは定期的に「ホワイトチョコレートはハイライト動画専用の選手で、実際は過大評価ではないか?」「味方の顔面にパスを当てる危ない選手だった」という書き込みが見受けられます。しかし、現場のプレイヤーたちの証言を丹念に収集すると、全く異なる実態が浮かび上がります。
当時彼を守った歴代最高のペリメーターディフェンダー、ゲイリー・ペイトンは引退後のインタビューで「ジェイソンを守る夜は悪夢だった。彼のドリブルはどこへ行くかも分からないし、ボールが視界から消えた瞬間に逆コーナーのシューターへ飛んでいる。予兆ゼロのモーションから放たれるパスの球速は時速70キロに迫るライナーだった」と証言しています。
また、味方の顔面にパスが当たったというエピソードについても、当時のキングスのビッグマンであるクリス・ウェバーは公の場でこう語っています。「ジェイソンと一緒にコートに立つ時は、たとえ相手をスクリーンしていようが、リバウンドに跳んでいようが、1秒たりとも彼から目を切ってはならなかった。彼には『他の誰にも見えていないパスルート』が見えており、予期せぬ瞬間にピンポイントでボールが届いたからだ」。
つまり、サーカスに見えたプレイの根底にあったのは、異常なまでの広角視野と、リスト(手首)のスナップだけでコート端から端まで通す驚異的な前腕の筋力でした。基礎基本を極限まで習得した天才が、常識の枠組みを壊した結果がホワイトチョコレートのスーパープレイだったのです。