初回からこの芸術祭を牽引し続けてきた総合ディレクターの山重徹夫氏は、今回の開催に向けて強い手ごたえを語る。「アートを鑑賞する行為は、地域そのものの歴史や人々の営みを再発見する旅でもある。過疎化や高齢化といった課題を抱える地域だからこそ、表現の力が生み出す波及効果は果てしなく大きい」。山重氏の指針のもと、アーティストと地元住民との対話から生まれた作品が今回も数多くラインナップされた。
山重氏が追求するのは、単なる「作品の展示」にとどまらない。作品制作のプロセス自体に住民が参加し、忘れ去られつつあった古い道具や地域の民話に新たな命を吹き込むことだ。この共創のアプローチこそが、祭りの質を単なる一過性の観光イベントから、深みのある持続可能な文化活動へと引き上げている。