日本中を席巻した『あまちゃん』の放送終了からわずか2年後の2015年、能年玲奈の独立騒動が週刊誌報道を皮切りに表面化しました。当時所属していた大手芸能事務所・レプロエンタテインメントとの間で、仕事の選定方針やマネジメント体制、契約更新をめぐる意見の不一致が深刻化。彼女自身が個人事務所を設立したことが「契約違反」と報じられ、メディアを巻き込む大きな騒動へと発展しました。
2016年6月に前事務所との契約期間が満了した際、彼女は活動名を「のん」へと改名して再始動を発表しました。ここで世間に大きな衝撃を与えたのが、「なぜ本名である能年玲奈を名乗ることができないのか」という疑問です。
芸能界における専属マネジメント契約書には、タレントが本名であっても「契約期間中および終了後において、事務所の承諾なしにその氏名を芸能活動に使用してはならない」という競業避止条項やパブリシティ権の帰属条項が盛り込まれているケースが少なくありませんでした。前事務所側は契約満了後も「能年玲奈」名義での活動に異議を唱える姿勢を示唆したため、法的な泥沼化と活動停止のリスクを回避する苦渋の決断として、彼女は「のん」という新たな表現者としての屋号を選択したというのが実情です。
当時の報道各社の取材や関係者の証言を振り返ると、契約満了の直前まで事務所側からの接触や警告文書の送付が行われており、彼女の側には「名前を奪われても表現を止めたくない」という強い意志と覚悟があったことが窺えます。