長年ファンの間で議論の的となっているのが、ネオン=ノストラードの「死亡説」である。この説が決定的な現実味を帯びたのは、単行本36巻に収録されたクロロとヒソカの死闘、およびその後の会話シーンだった。クロロが「本のページから能力が消えた」と示唆する描写が存在するからである。
「盗賊の極意」には厳密なルールが存在する。奪った能力の元の持ち主が死亡した場合、その能力は本から消滅する(死後に強まる念を除く)。クロロが「天使の自動筆記」を使えなくなったという事実は、能力の元所有者であるネオンがこの世を去ったことを間接的かつ不可逆的に証明している。彼女がなぜ死に至ったのか——父親の落ちぶれによる自死か、裏社会の抗争に巻き込まれたのか、あるいはヒソカによる「狩り」の犠牲となったのか。冨樫義博は明確な描写を意図的に避けつつも、決定的な事実だけを提示することで、作品全体に漂う無常観を際立たせた。