フィブラストスプレーは、使い方や保存環境を誤ると効果が半減するだけでなく、創傷治癒を妨げる原因になります。医療現場で徹底されている正しいプロトコルを確認しましょう。
製剤の調製と正しい噴霧ステップ
- 事前洗浄(デブリードマン):噴霧前に、患部を生理食塩水または水道水の微温湯で十分に洗い流します。創面に黄色や黒色の壊死組織(死んだ細胞)や膿が付着していると薬液が浸透しないため、必要に応じて医師による壊死組織の切除処置が行われます。
- 薬液の溶解:付属の溶解液(バイアル)を粉末バイアルに注入し、泡立てないように静かに振り混ぜて完全に溶解させます。その後、専用の噴霧用スプレーノズルを装着します。
- 患部への噴霧:創面から「約5cm」の距離を保ち、創全体に均一に行き渡るようスプレーします。1回の噴霧量は規格により定められており(通常、250μg製剤で創面100cm²あたり5噴霧が標準)、1日1回投与します。
- 創部の保護:噴霧後、薬液が患部に定着するまで数十秒待ち、非固着性のガーゼや適切な創傷被覆材(ハイドロコロイドやポリウレタンフォーム)で患部を被覆保護します。
絶対に守るべき保存ルール
本製剤の主成分は熱に弱いタンパク質です。溶解前・溶解後を問わず、冷蔵庫(2〜8℃)で遮光保存することが原則です。絶対に冷凍庫に入れて凍結させてはなりません(解凍時にタンパク質が破壊されます)。
また、溶解後の使用期限は「2週間(14日間)」と厳格に定められています。2週間を超えて残った薬液は、雑菌の繁殖や薬効低下のリスクがあるため、必ず破棄しなければなりません。