インターネット上で「逆子体操は効果がない」という意見を目にして、戸惑う妊婦も少なくありません。実は、日本産科婦人科学会の診療ガイドラインや国際的なコクラン共同計画の大規模研究において、逆子体操が帝王切開率を下げるという確固たる医学的根拠(エビデンス)は確立されていないのが客観的事実です。
効果がないとされる背景には、逆子になる原因そのものが関係しています。羊水過多・過少、子宮筋腫、胎盤の付着位置(低置胎盤など)、へその緒の長さや巻き付き(臍帯巻絡)といった物理的要因がある場合、体操を行っても赤ちゃんが自力で回ることは構造上困難です。
さらに見過ごせないのが逆子体操の危険性の真相です。お腹を圧迫したり無理な体勢を長時間続けたりすることで、子宮収縮が誘発され、切迫早産や常位胎盤早期剥離、胎児機能不全を引き起こすリスクが存在します。
そのため、体操を行う前後に張り止め薬(ウテメリンやリトドリン等)が処方されるケースがありますが、逆子体操に伴う張り止めの副作用として動悸や手の震え、ほてり、吐き気などが強く現れる場合があります。母体に過度なストレスや身体的負荷がかかる場合、体操を中止するよう勧める医師が増えているのも近年の大きな潮流です。