なぜここまで急速に夕刊の休刊が進むのか。その理由は単一ではなく、「構造的な部数減」「物流・製造コストの暴騰」「夕刊配達員の人手不足」という三重苦が新聞社に重くのしかかっているためです。
日本新聞協会の統計を見ても、一般紙の発行部数はピーク時の5,000万部超から右肩下がりを続け、直近では約2,800万部規模へと急激に縮小しています。スマートフォンやニュースアプリの普及により、日中の出来事は夕方を待たずともリアルタイムで手に入る時代になりました。「夕刊でその日のニュースを先取りする」というメディアとしての速報性が、デジタルの即時性に取って代わられたのです。
加えて見逃せないのが、新聞販売所を取り巻く新聞配達員の人手不足です。早朝の朝刊配達に比べ、昼過ぎから夕方にかけて稼働する夕刊配達は、ダブルワークや主婦(夫)層の確保が一段と難しくなっています。最低賃金の上昇に伴う労務コストの増加、さらには新聞用紙代や印刷インキ、配達用バイク・トラックの燃料費高騰が重なり、「1日に2回配達するコスト」を維持することが構造的に極めて困難になりました。